一般的な2500分の1の地形図を、紙の地図と同じように表示させたいだけなのに、いろいろ知識、準備が必要だ。素人がいきなり利用しようとすると難しいものですね。わかる人はわかるんだろうけど。整理してみた。
やりたい事、前提となる条件
- ArcGISで2500分の1地形図の紙と同じように表示させたい
- 2500分の1の地図は、「公共測量標準図式」で書かれている
- 2500分の1地形図データとして、DMデータを入手した(日本国内)
事前準備
- 「国内対応パック」をインストール(「国内データ変換ツール」を使えるようにしておく)
- (当たり前だが)変換したいdmデータ(ファイル形式が「.dm」のファイル)
- データは何でもいいので、コンテンツウィンドウから「シンボル選択」ダイアログボックスを立ち上げ、「参照スタイル…」ボタンを押して、参照スタイルで「公共測量(DM)図式」にチェックを入れ、使えるようにしておく
- 出来上がったデータを保存したい場所にあらかじめARCカタログから「新規作成」で「ファイルジオデータベース」を作っておく
- 測地系を確認しておく(元のDMデータが作られた時期が、日本測地系使用時期だったら「GCS_Tokyo」、東日本大震災以前だったら「GCS_JGD_2000」、東日本大震災後だったら「GCS_JGD_2011」)
- 平面直角座標系の系番号を確認しておく(地形図の場所による)
- 「ArcToolbox」→「DMデータのチェック」を実行。変換したいDMファイルを指定(複数ファイル指定可能)。テキストファイルが生成されるので、DMデータのファイルごとの「座標区分」(2Dか3Dか)、「文字コード」(Shift-JISかJISか)を確認しておく
作業
- 「ArcToolbox」→「DM→ジオデータベース(DM to Geodatabase)」を実行。
- 変換したいDMファイルを指定(複数ファイル指定可能。ただし、以降の設定が同じファイルのみとする必要がある)
- 「測地系」「系番号」「文字コード」は自動入力されるが、違ってる場合もあるので、事前準備で確認したのと違ってたら訂正
- 「出力ジオデータベース」であらかじめ作ったジオデータベースを指定(デフォルトのジオデータベースを指定して他のデータを混じったりするとわけがわからなくなるので分けたほうが良いと思います)
- 出力データ名:デフォルトだと図郭番号名になる
- 「結合して出力」にチェック(複数ファイルを一括して変換する場合、複数図郭の同種類のデータを一つのレイヤーに仕分けしてくれる)
- 「レイヤーファイルを生成」にチェック(これをチェックしておかないと公共測量標準図式に対応したシンボルを選んでくれない)レイヤーファイル作成場所はデフォルトだとジオデータベースと同じフォルダになる。
- 「図形区分99にシンボルを適用」にチェック(よくわかりませんが「その他」に分類されているものを地図上でどう表現するかだと思います。チェックしないとESRIデフォルトの色のついたシンボルが適用されるのであとで直す必要あり)
- 「注記に縁取りを追加」にチェック(縁取りがあったほうが文字が見やすい)
- 生成されたレイヤファイルのうち「○○_all.lyr」をArcMAPに取り込むと、2500地形図が表示される。
- コンテンツウィンドウで公共測量図式のシンボルが適用されているかを確認。シンボルが正しく適用されないと、ESRIデフォルトの色のついたシンボルになっているので、属性データを見てコード番号を確認し適当なシンボルを選択するなどして表示を直す。(地図作成側の問題?ESRIの設定の問題?)
- シンボルを自分で設定した場合は、標準設定だと縮尺表示を変えると画面上のシンボルの大きさが変わってしまうので、コンテンツウィンドウからマップレイヤーのプロパティを開く→「データフレームプロパティ」ダイアログボックスが開く→「一般」タブ→「基準縮尺」を1:2,500に設定
基本的には、チェックは全てつけて、正しい設定を選ぶと、紙の地図とほぼ同じ表示になるようだ。