1-1-3移動平均法又は単純指数平滑法を用いて,各期の需要量の予測値を順次計算することを考える。第1期~第4期の需要量の実績値が下表で与えられるとき,次の記述のうち,最も適切なものはどれか。なお,移動平均法及び単純指数平滑法による予測値の計算方法はそれぞれ以下のとおりである。
移動平均法:k次の移動平均法によるt+1期の予測値FIt+1は,直近k期間の実績値
を用いて式(1)により計算される。
(1)
単純指数平滑法:単純指数平滑法によるt+1期の予測値は,t期の実績値,t期の予測値及び定数α (0<α<1)を用いて式(2)により計算される。
(2)
本問ではα=0. 3として計算することとし,第3期の予測値は354であるとする。
表 需要量の実績値
期 | 1 | 2 | 3 | 4 |
---|---|---|---|---|
需要量(個) | 360 | 340 | 310 | 258 |
①3次の移動平均法による第5期の予測値は,310よりも大きい。
②4次の移動平均法による第5期の予測値は,3次の移動平均法による第5期の予測値よりも小さい。
③単純指数平滑法による第4期の予測値は,330よりも小さい。
④単純指数平滑法による第5期の予測値は,295よりも小さい。
⑤単純指数平滑法による第2期の予測値は,第2期の実績値よりも大きい。
正答 ⑤
①誤り。3次の移動平均法とあるので、過去3期分(2~4期)の単純平均が第5期の予測値となる。(340+310+258)/3≒303なので310より小さい。
②誤り。過去4期分(1~4期)だと、最も大きい1期の需要量が平均に加わるので過去3期分で出した予測値より大きくなる。
③誤り。第4期の予測値は、0.3×310+(1-0.3)×354 で計算でき、計算値は 340.8 なので330よりも大きい。
④誤り。第5期の予測値は、0.3×258+(1-0.3)×340.8 で計算でき、計算値は 315.96 なので295よりも大きい。
⑤正しい。第2期の予測値は 第3期の予測値より逆算できる。
以上より、第2期の予測値は360であり、第2期の実績値340よりも大きい。
参考