令和4年度技術士第二次試験問題〔総合技術監理部門〕Ⅰ-1-15

I -1-15ジョブ型雇用とメンバーシップ型雇用に関する次の記述のうち,最も不適切なものはどれか。

①専門性の高い業務におけるジョブ型雇用では,人の出入りがあるために会社が外部労働市場にさらされ,一般的にメンバーシップ型雇用より報酬が高く設定されやすい。

②新卒一括採用を継続する日本の企業でジョブ型雇用を導入する場合は,下位等級をメンバーシップ型雇用とし,上位等級にジョブ型雇用を適用するなど,雇用区分を組み合わせて活用する場合が多い。

③メンバーシップ型雇用では,内部育成による人材確保を進めることから,ジョブ型雇用に比べ,ビジネスモデルの変革やグローバル化の推進など事業の変化が激しい場合でも対応が容易である。

④ジョブ型雇用では,社員が専門性を指向して,経営層が育ちにくくなるため,仕事や役割の計画的な割り当てと選抜教育により次世代のリーダーを育成する施策が必要になる。

⑤メンバーシップ型雇用では,適材適所による生産性向上,ローパフォーマーの活用促進,セクショナリズムの軽減などが期待できる。

正答 ③

①正しい。

②正しい。紛らわしいが、記述のとおりか。新卒採用者は当面メンバーシップ型雇用で、中途採用者や上位等級者は、職務内容や評価基準が明確化されジョブ型に変わっていくという感じか。

③誤り。メンバーシップ型雇用では,内部育成による人材確保を進めることから,ジョブ型雇用に比べ,ビジネスモデルの変革やグローバル化の推進など事業の変化が激しい場合の対応が難しい。

④正しい。

⑤正しい。企業側の都合で異動させて人員配置を変えられるので「適材適所による生産性向上、ローパフォーマー(会社が求めるレベルの仕事ができず、組織の負担となってしまっている従業員)の活用促進」、ゼネラリストとして育成されるので「セクショナリズムの軽減などが期待できる。」ということかと。

メンバーシップ型はゼネラリストの育成には向くが、スペシャリストは育ちにくい傾向がある。 メンバーシップ型雇用では、採用の際に職務や条件などを限定しない。企業側の都合で、従業員の仕事内容や勤務地を変更することが可能。仕事内容についても限定されることはない。従業員にとっては、よほどのことがない限り解雇される心配がなく、社内で人材を育成するという意識が高く、研修やトレーニングが用意されていることが多い。勤続年数によって給与アップが期待できる、など。

参考

ジョブ型雇用とは?メンバーシップ型雇用との違いやメリットを紹介

https://www.rgf-professional.jp/insights/2020-10-differences-between-job-type-based-employment-and-membership-type-employment