令和5年度技術士第二次試験問題〔総合技術監理部門〕Ⅰ-1-7

I -1-7 業務改善を実施するうえでの視点を示したECRSの原則を用いた改善活動の説明として,次のうち最も不適切なものはどれか。

①作業のスケジュールを見直すことによって,作業の順序の変更をする。

②工程分析を行った結果を活用し,一部の工程をなくす。

③完成品の利用調査に基づき,完成品の検査合格の許容範囲を狭める。

④作業者の動作分析を行うことによって,動作方法を単純化する。

⑤各工程の作業を見直し,別々であった工程を1つの工程にする。


回答 ③ 完成品の検査合格の許容範囲を「広げる」が正しい。


参考

業務改善事始め! 業務を見直す4原則「ECRS」とは | 大塚商会

令和5年度技術士第二次試験問題〔総合技術監理部門〕Ⅰ-1-6


I -1-6各作業を早く終えて,次の作業者に引き渡すことは,作業効率を高めるために重要である。ある作業者が,下表に示された5つの作業をこれから1つずつ順に実施しなければならないとき,5つの作業のリードタイムの平均値が最小となる作業の実施順序の記述として,次のうち最も適切なものはどれか。ただし,最初に着手した作業の開始時刻を起点とし,起点となる時刻から,各作業が完了する時刻までのそれぞれの時間を各作業のリードタイムとする。


作業名 所要時間
A 4
B 8
C 2
D 10
E 6

①A-B-C-D-Eの順で作業を実施した場合に最小となる。

②C-A-E-B-Dの順で作業を実施した場合に最小となる。

③D-B-E-A-Cの順で作業を実施した場合に最小となる。

④C-B-D-E-Aの順で作業を実施した場合に最小となる。

⑤作業をどのような順序で実施しても,変わらない。


回答 ① 所要時間が長い作業を後にしたほうが、リードタイムは少なくなる。 


参考 なし

令和5年度技術士第二次試験問題〔総合技術監理部門〕Ⅰ-1-5

I -1-5 ある工場では,設備管理に関する次の取組を行った。このうち,設備総合効率の値を高めた取組として,最も不適切なものはどれか。

①設備の予防保全の活動を見直すことによって,設備の停止時間を減らした。

②設備の段取作業の省人化によって,段取作業における製造原価を減らした。

③設備の作業速度低下の発生を減らすことによって,稼働時間内の加工数量を増やした。

④設備の改良保全の活動を見直すことによって,不適合品の発生数を減らした。

⑤設備の事後保全の活動を見直すことによって,設備故障から復旧までの時間を減らした。


回答 ② 省人化で段取り作業の製造原価を減らせるとは限らない?


参考

設備稼働率 ~ 総合設備効率と7大設備ロス | Stratus Bl

令和5年度技術士第二次試験問題〔総合技術監理部門〕Ⅰ-1-4

I -1-4品質管理で用いられる図やグラフと,その用途の例の組合せとして,最も適切なものはどれか。

パレート図:改善すべき事項の全体に及ぼす影響の確認,及び改善による効果の確認をする。

②管理図:計量値データを統計的に解析して棒グラフで示し,平均値や中央値などの中心傾向,分布の形状を知る。

ヒストグラム:2つの特性の相関関係を見る。

④散布図:特定の結果に対する原因を定性的に分類・整理し,重要な原因を追究する。

⑤特性要因図:数値データに基づいて工程の異常を発見し,安定状態を維持する。


回答 ①

パレート図:改善すべき事項の全体に及ぼす影響の確認,及び改善による効果の確認をする。

②管理図:数値データに基づいて工程の異常を発見し,安定状態を維持する。

ヒストグラム:計量値データを統計的に解析して棒グラフで示し,平均値や中央値などの中心傾向,分布の形状を知る。

④散布図:2つの特性の相関関係を見る。

⑤特性要因図:特定の結果に対する原因を定性的に分類・整理し,重要な原因を追究する。フィッシュボーンチャートとも呼ばれる。


参考

QC7つ道具ってどう使うの?いまさら聞けない品質改善の基礎|ものづくりの現場トピックス | キーエンス

令和5年度技術士第二次試験問題〔総合技術監理部門〕Ⅰ-1-3

I -1-3設計管理に関する次の(A) - (E)の用語と,それらの説明である(ア)~(オ)の組合せとして,最も適切なものはどれか。

(A)信頼性設計

(B)保全性設計

(C)デザインイン

(D)デザインレビュー

(E)フロントローデイング


(ア)故障が発生した場合,その故障個所がすぐに検知でき,容易に修復できるように考慮した設計法。

(イ)対象物が,与えられた条件の下で,与えられた期間,故障せずに,要求どおりに遂行できるようにすることを目的とした設計技術。

(ウ)初期の工程のうちに試作や量産など後工程で発生しそうな問題の検討や改善などに前倒しで取組むことで,品質の向上や工期の短縮などを推進する手法。

(エ)部品の製造販売を行う業者が,完成品のメーカーに設計の協力をして共同開発を行い,その際に自社の部品をその新製品の組立てに使用するように働きかける活動。

(オ)対象物のライフサイクル全体にわたる既存又は新規に要求される設計活動に対する,文書化された計画的な審査。


  A B C D E

回答 ② 

信頼性設計:その製品が最後まで求める機能を発揮できるよう設計すること。                  →イ 保全性設計:故障が発生した場合に容易に対応できるよう設計すること。                    →ア デザインイン:部品メーカーが、完成品メーカーに開発段階から協力し共同開発を行うこと。           →エ デザインレビュー:設計審議会。製品の開発段階において、設計者以外の第三者とともに、設計品質などを検証する。→オ フロントローディング:開発の初期段階で問題改善などに前倒しで取組み、品質向上や工期短縮などを図る手法。  →ウ


参考 

「信頼性設計」「保全性設計」の解説

信頼性設計と安全性設計 | 鹿夫のエンジニア資質向上計画

「デザインイン」の解説

デザイン・インとは? 意味や使い方 - コトバンク

「デザインレビュー」の解説

製品開発手順のデザインレビューについて教えてください。 | ビジネスQ&A | J-Net21[中小企業ビジネス支援サイト]

フロントローデイング」の解説

「フロントローディング」のメリットと実現方法|IT Insight|Rentec Insight|レンテック・インサイト|オリックス・レンテック株式会社

令和5年度技術士第二次試験問題〔総合技術監理部門〕Ⅰ-1-2

I -1-2損益分岐点分析を行うため,下図のような横軸に販売量,縦軸に金額(売上高及び費用)をとったグラフを用いる。このグラフを用いた分析に関する次の記述のうち,最も不適切なものはどれか。なお,総費用は固定費と変動費から構成され,固定費をF,販売量をx,販売量1個当たりの変動費をv,1個当たりの販売価格をpとし,P>vであるとする。また,全ての金額は0より大きいものとする。

図 損益分岐点分析の検討用グラフ


①Fとpは変化せず,vが増加すると,損益分岐点の販売量は減少する。

②F,v及びpは変化せず,xが増加すると,利益が増加あるいは損失が減少する。

③vとpは変化せず,Fが増加すると,損益分岐点の販売量は増加する。

④Fとvは変化せず,pが減少すると,損益分岐点の販売量は増加する。

⑤Fは変化せず,1個当たりの限界利益が減少すると,損益分岐点の販売量は増加する。


回答 ①

①(正しくない)v(1個当たり変動費)が増加⇒1個当たりの利益が減少⇒同じ利益を出すためにはより多く売らねばならない⇒損益分岐点の販売量は減少

②(正しい)x(販売量)が増加⇒利益が増加または損益が減少。

③(正しい)F(固定費)が増加⇒同じ販売量だと利益が減少⇒損益分岐点の販売量は増加

④(正しい)p(1個当たりの販売価格)が減少⇒たくさん売らないと同じ利益が確保できない⇒損益分岐点の販売量は増加

⑤(正しい)1個当たりの限界利益が減少⇒vが増加⇒損益分岐点の販売量は増加。


参考 なし

令和5年度技術士第二次試験問題〔総合技術監理部門〕Ⅰ-1-1

I -1-1単年度で終結する3つのプロジェクトA,B,Cがある。各プロジェクトでは,投資額に応じてそこから得られる利益額が下表のように与えられている。各プロジェクトへの最大投資額はプロジェクトAでは4,000万円,プロジェクトB,及びプロジェクトCではそれぞれ2,000万円である。投資は,各プロジェクトに対し1,000万円を1単位として全体で4単位まで可能である。各プロジェクトに何単位ずつ投資すると,得られる利益額の和が最大となるのかを検討している。利益額の和が最大となる各プロジェクトへの投資方策におけるプロジェクトAへの投資額として,次のうち最も適切なものはどれか。


表 各プロジェクトへの投資額と得られる利益額(万円)

投資額 プロジェクトA プロジェクトB プロジニクトC
0 0 0 0
1,000 200 150 160
2,000 320 220 290
3,000 420 --- ---
4,000 510 --- ---

①0単位(0円)

②1単位(1,000万円)

③2単位(2,000万円)

④3単位(3,000万円)

⑤4単位(4,000万円)


回答 ② 1単位

・総当たりで調べれば良い?4単位の投資パターン、その時の利益は、

 B2単位、C2単位(220+290=510万円)

○A1単位、B1単位、C2単位(200+150+290=640万円)

 A1単位、B2単位、C1単位(200+220+160=580万円)

 A2単位、B2単位(320+220=540万円)

 A2単位、C2単位(320+290=610万円)

 A2単位、B1単位、C1単位(320+150+160=630万円)

 A3単位、B1単位(420+150=570万円)

 A3単位、C1単位(420+160=580万円)

 A4単位(510万円)


参考 なし